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福田繁雄さん

川崎市市民ミュージアムで開催中の『福田繁雄大回顧展(ユーモアのすすめ)』に行ってきました。
こちらの美術館には初めて行ったのですが、福田繁雄さんはこちらの美術館の計画当初から参加しているそうで、入口には福田さんデザインのオブジェが展示されていました。

↑ 川崎市市民ミュージアム入口 福田繁雄さんデザインのオブジェ

個人的に他の展覧会や書籍等、他のデザイナーさんの作品と共に拝見してきた福田繁雄さんのイメージはユーモアある作品を作られるエッシャー好きなグラフィックデザイナーの方でしたが、今回福田さんの作品のみを集めた空間で一番思った事はユーモア以上に、この作品群を作る為にどれだけ考え抜いたのだろうかと思わせる圧倒的な「思考密度」でした・・ひとつひとつの作品にユーモアやアイロニーがあるのは間違いないのですが、それが際立って見えていたのは他のデザイナーさんの作品と一緒になった時であって、福田さんの作品のみが集まったときに感じるものは少なくとも私には違ったものに感じられました。(展覧会のタイトル「ユーモアのすすめ」も「ユーモアを相手に伝える事はふか~い思考の先にしかないのですよ」という世間一般で認識されている「ユーモア」とは異なった意味合いを込めているのかと思うほどに・・・)

↑ 美術館の入り口のポスターは代表作『VICTORY 1945』


※ 『VICTORY 1945』や美術館入口のオブジェ『2001・2002・2003・・・[時間]』は私が今までイメージしていた福田繁雄さんらしさを一番に感じられる作品です。

『ランチはヘルメットをかぶって(1987年)』
848本のステンレス製のナイフとスプーン、フォークを使って作ったオブジェ
オブジェを一見すると乗用車を横から見た様な変わった形状といった感じなのですが、上から光を当てるとその影がリアルなモトクロスバイクになっているのです。
オブジェそのものではなく影が主役の作品は他にもありましたが、これが一番インパクトがありました。
モトクロスバイクのリアルさ加減ですが、メーカーから図面を貰って来て影を作ったということで、車輪部分のスポーク1本1本まで写真かと見間違う程に再現されていました。

以下は出口付近で流れていた柏木博さんが福田さんにインタビューしているビデオで仰っていました・・
・フォークは一本定価1,800円だったけれども、大量購入で少し安くしてもらった(思わずビデオに向かって「1800円もしたんだ・・」とつっこんでしまいました)
・タイトルは演劇の様なタイトルにしたかった・・・ランチはバイクで出かけた先のお店で・・という意味を込めてだそうです

『ヴィナス』シリーズ  聖徳太子のヴィナス、ベートーベンのヴィナス等のタイトルが付いた立体作品群(全部で10種ありました)
美術のデッサン授業で使いそうなミロのビーナスの胸像(立体)を想像してください。その立体の顔部分に黒のマジックで有名人の顔の落書きをした様な作品です。「家庭教師のトライ」のCMで話をしている先生の顔に落書きしていくものがありましたが、あれの立体版と言えば通じますでしょうか・・
雪舟のヴィナス、国芳のヴィナスは特に見る角度によって表情が歪んで見え面白かったです。(お札の顔を折って斜めから見ると笑って見えたりする感じです)

使用済み切手2552枚で作られたモナリザ(1984年)
コンピュータで配置を計算して作ってあるのかと思いましたが、モナリザの絵の色をじっくりと見ながら1枚1枚似た色の切手を手張りして作られたとの事。この作品に限らず福田さんはコンピュータは使わず、アナログな手法や手書きスケッチで考える事を生涯に渡って貫き通したそうです。(コンピュータを使う事で人が考える事を辞めてしまうことが怖い・・という様な趣旨の事をビデオ内で仰られていました)
※『ランチはヘルメットをかぶって(1987年)』のナイフ等の数もそうでしたが、こちらの切手数も右から読んでも左から読んでも同じ数字・・こういうこだわりもエッシャー好きな福田さんらしいと思いました。

私が知らなかった初期の作品で、娘さんの為に作っていたという組み木の様な木工おもちゃの作品群はその仕上がり精度や、造形的な美しさ等を含めかなり引き込まれました。福田さんが200点以上の玩具を作られていた事は今回初めて知りました。(写真でご紹介出来ないので、私のラフスケッチでご想像ください・・)

福田繁雄さんがデザインしたおもちゃ

↑ 福田繁雄さんが娘さんの為に作った組み木おもちゃ(1960年代)

『レインボー・ツリー(1965年)』は私の大好きなネフ社の『レインボー』というおもちゃがあるのですが、第一印象はまさに「あっ、レインボーだ」でした。そのおもちゃが発売される30年以上も前に娘さんの為に作られていたとの事でかなりビックリしました。
『フィッシングボート(1967年)』は形はシンプルですが、実物は魚が鮮やかな赤とオレンジの2色で交互に塗られていてかなり美しい仕上がりだったのと、組み木を収める側をボートにして少しづつサイズの異なる魚でボート内を埋め尽くすという発想が思いつきそうで思いつかないと思い、印象に残りました。

初期の作品では名前が伏せてあったら福田さんの作品とは思えない『第15回日宣美展(1965年)』といった作品があったり、1970年代のカゴメケチャップの広告では今見ると余計にコンピュータグラフィックぽく見える同じ形が繰り替えされる作品があったり、個人的に今まで目にしていなかったので逆に新鮮に感じました。

福田さんは漫画家になりたかったそうで今回子供の頃に描かれた手書き漫画や普段書き溜められていたラフスケッチも幾つか展示されていて、興味深く拝見させていただいたのですが、凄く印象的だったのはラフスケッチの完成度が高い事でした。他の人のアイデアスケッチやラフを見てもかなり想像力を働かせないと完成形に辿り着けない事の方が多いのですが、福田さんのスケッチはかなり完成形に近いと言いますか、見てるとやろうとしている事や完成形がイメージできるメモやスケッチばかりでした。

エッシャーの絵を立体にした作品や文字を立体化して角度によって文字に見えたり言葉の意味を表す形状に見える作品、奥行きがペチャンコになった車等他にも面白い作品が300点近く展示されています。お近くの方で少しでも気になった方は是非足を運んでみてください。

岩手県二戸市にある「福田繁雄デザイン館」のホームページで『ランチはヘルメットをかぶって(1987年)』の写真を見ることができます。
福田繁雄デザイン館」 http://www.civic.ninohe.iwate.jp/sigeo.html

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コメント:1

名無しのリーク 16-10-15 (土) 16:48

香川県ルーちゃん餃子のフジフーヅはバイトにパワハラの末指切断の大けがを負わせた犯罪企業

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